低額な慰謝料基準と高額な慰謝料基準

このページでは,慰謝料の基準について,裁判基準,赤い本基準,弁護士基準,任意保険基準,自賠責基準について説明しています。

各基準の違いとは

まず,訴訟になった場合に見込むことができる賠償額の基準を,裁判基準といいます。
具体的には,赤い本の基準が参考にされることが多いため,赤い本基準とも言えます。

弁護士基準というのは,訴訟までには至らず,示談交渉での解決を目指す際の基準です。

これも,裁判基準と同様の基準での解決を目指すものですが,早期解決の観点から裁判基準よりもやや低い金額での示談となることが多いかと思われます。

これに自賠責基準とは,自賠責保険が定めている基準です。

具体的な金額は後ほど説明しますが,自賠責は多数の交通事故を迅速に扱うという観点から,金額は固定化されています。

任意保険基準とは,各任意保険会社が独自に定めている基準です。
もっとも,任意保険の基準は,自賠責保険の金額を下回ることが出来ないという制約があります。

しかし,任意保険基準といっても,現実には自賠責保険と同様の基準か,自賠責保険よりもほんの僅か高い金額でしかありません。

自賠責基準の計算方法

ここでは,令和2年4月1日以降に発生した交通事故に適用される自賠責基準の計算方法についてご説明します。同日以前の事故については,別の基準となります。

まず,休業損害については1日6100円が原則となります。ただし,6100円を超えることが明らかな場合,自動車損害賠償法施行令第3条の2に定める金額を限度として,その実額とされます。

次に,慰謝料については,1日につき4300円と計算されます。ただし,日数については,被害者の傷害の態様,実治療日数その他を勘案して,治療期間の範囲内とされます。

以上のように,自賠責基準は裁判基準と比較すると,極めて低額な金額となります。

ただし,自賠責基準が有利な場合として,事故被害者の過失が大きい場合があげられます。

すなわち,自賠責基準では,被害者の過失が7割未満であれば,過失分減額されることは全くありません。これは,自賠責保険が被害者保護という目的を有しているためです。

したがって,例えば,事故被害者の過失が大きく,かつ通院期間も短い場合は,相手方の任意保険会社へ賠償金を請求するよりも,自賠責へ保険金請求した方が,得られる金額が大きくなる可能性があります。

賠償交渉は弁護士にお任せください

以上のように,自賠責基準の方が,裁判基準よりも高額になることは極めて稀です。したがって,裁判基準での解決を目指す必要があります。

この賠償交渉は専門的な内容になります。当事務所では簡単な計算も行っていますので,まずは是非一度ご相談ください。

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